やゆよ

ああたまが、しゃべりますので

小学生の時の記憶

小学校時代のことを思い出そうとすると、あゆちゃんと言う女の子のことが出てくるようになった。本当に最近の話だ。あゆちゃんが出てくることに気がついたのは、多分3ヶ月も前でないのだ。最近だ。

 

あゆちゃんは3年生くらいの時に初めて同じクラスになって知り合った気がする。あまり覚えていない。なぜあゆちゃんと友達になったのかも覚えていない。おそらくその時クラスで仲良くやってくれていた友人がリーダー格であったから、成り行きで一緒に遊んで友達になったのだと思う。本当によく覚えていない。

 

あゆちゃんの家でバレンタインのチョコレートを作った記憶がある。溶かしたチョコレートにマーブルチョコレートとかきのこの山とか既製品のお菓子を乗せた、雑なチョコレートを作った。あゆちゃんはちょっとだけ不器用であった。ホワイトチョコより普通のチョコの方が美味しいという話を、小学校の前の公園で、した気がする。

 

あゆちゃんは正直な子だった。違うない?って思うことは「それって違くない?」って言えてしまう女の子だった。魚の鮎についての本を読み聞かせで聞いたか授業で魚の鮎が出てきたか忘れたが、名前を揶揄われるというほどでもないがみんなちょっとくすくす笑ってしまった時は、クラスのみんなの前で泣く子だった。あゆちゃんが拗ねた時の顔も思い出せる。あゆちゃんはあのとき、クラスの誰よりも大人で誰よりも子供だった。

 

あゆちゃんと2人だけのものが、一つだけあった。ガチャガチャの猫のおもちゃだ。あゆちゃんは大きめの三毛猫を1匹、僕は小さな黒猫を4匹、持っていた。

 

小学生低学年の女の子たちは、みんな同じことをする。分解消しゴムが流行れば巾着に大量に入れて持ち運んでいたし、プロフィール帳が流行れば誰に渡るかもわからないまま何枚もの色の違ったプロフィール帳に自分のことを書き込んでいた。(だから裏面の1番下にある、書き終わったら□□に返してね!が空欄だと困ってしまう!)

 

みんな同じことをするのが普通であるクラスの中で(別にそれが窮屈だったわけではないし楽しかった)、あゆちゃんと2人だけで遊ぶものが存在していた記憶が、ある。

 

 

人の記憶は声から忘れていくと聞く。それでも僕はあの時代のあゆちゃんの笑い方を今でもなぜか覚えているし、僕の名前を呼ぶ時の声も覚えている。机を挟んで僕に向かって笑っているあゆちゃんの顔を。

 

 

あゆちゃんとの交流は6年生くらいの時に無くなりはじめて、中学に上がる頃には完全になくなっていた。あゆちゃんは中学校に入ってから学区内で引越しをしたと聞いた気がする。中学になってからあゆちゃんは途中で学校に来なくなった気がする。クラスがもう同じにならなかったから、あゆちゃんとの記憶は小学校で途絶えている。

 

この記録がどういう意味を持つかとか本当にない。ただ小学校時代を思い出すと、あゆちゃんが出てくるということだけである。誰かにとって僕もそんな人になりたいとか全く思っていない。ただあゆちゃんを思い出す今の僕。なのである。

 

なぜあゆちゃんを思い出すのかを少し考えてみたけど、その時の記憶のままで一切更新されていないからかな〜と思うくらいでやっぱりよくわからなかった。

 

彼女、進撃の巨人が好きでしたけど完結まで見ましたかね?私は見ていません。1話から最終話までひとつも。